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2007年07月08日

第66回東京矯正歯科学会大会

 7月5日(木)有楽町マリオン11階の朝日ホールにて開催された東京矯正歯科学会に出席した。66回という数字がその歴史を語っているが、東京といっても関東一円からの参加となる。会員は当日会費4000円を払い、参加ポイントの登録を行う(日本矯正歯科学会の認定医の更新に必要なポイントである)。午前は特別講演と総会、少し遅刻したせいか「医療経済学」のお話は、判ったような判らなくなったような不思議な話であった。歯科機材のブースを見回し、業者さんと情報交換した後に、友人とランチでかけた。いつものように近くのウ゛ォーノウ゛ォーノとかいうレストランに行った。パスタランチを注文し、先輩と後輩とその知人の4名で、久しぶりの矯正トーク、大学トークとなった。25年〜17年の付合いで、礼儀をわきまえながらもぶっちゃけトークとなった。初対面の方は、医療コンサルタントの方だったので、これ幸いと質問させてもらった。やはり、一人で悩まず専門家にどんどん相談するのがいいと感じた。食した夏野菜のペンネはおいしかったが、緑色の冷製スープは豆の味が好みでなく微妙であった。(そういえば昔、いとこに御馳走しようとこの店に連れて来て、彼に「バター系の味が苦手なんですよ」といわれて、イタ飯を選んでごめんねと困ったことがあったっけなー。)紅茶を飲んで、学会会場に戻った。
 フロアーには32ケースの症例発表が並んでいた。

 32ケースの内24ケースは認定医更新用の審査ケースであった。今回は、当院からK先生が症例報告した。上顎犬歯2本が埋伏(萌出しない状態)していたケースで、なんとかその犬歯を引っ張ってきた治療例である。長期間の治療を要したため患者さんもK先生も苦労されたが、良好な結果となり患者さんも納得されている。あらためて供覧すると、あれこれ反省点にも気付かされるが、これも発表することの意義であり、明日からの臨床に活かすことが大事なのだと言い聞かした。
 大学後輩のA先生が口演発表した。診断時から治療初期にかけて一緒に担当した症例である。すばらしい治療結果を示してくれて、患者さんも満足してくれたろうと思い、たいへん嬉しかったと同時に安堵した。自分が大学医局時代に関連した2つの治療例を観ることで、当時の診断(治療方針)の論理性を思い起こし、また現在の診断基準とのブレがないか再確認することができ、有意義な時間を過ごせた。
 東京歯科大学からの発表で犬歯の埋伏の牽引方法について、考案された装置の紹介があった。良い工夫であると思った。

 恩師の言葉、「矯正の腕は、創意工夫するやつしか上がらない」

投稿者 wakimoto : 23:03 | コメント (0)

2007年07月01日

虫歯予防の話

 6月14日(木)矯正歯科医会の研修で長崎大学大学院医歯薬学総合研究科社会医療科学講座口腔保健学の飯島洋一先生の講演『初期う蝕再石灰化の最新テクニック』を聴きました。ふう~これだけ書いただけで大変そうだけれど、いい勉強になりました。
 講演を拝聴して私が勝手に決めた内容のキーワードですが、「MI テクニック」、「EBM」、「再石灰化」と思います。MI (minimal intervention) technique とは虫歯の治療にあたって最小限の浸襲による管理治療を意味しています。EBM(evidence based medicine) とは科学的根拠に基づく医療を意味します。飯島先生のお話は、この二つの思考法を常に意識されたものでした。歯の健康観を論理的に説明された中で、もっとも中心となるのが、「歯の再石灰化」でした。この言葉は、TVなどでもおなじみかと思いますが、ごく小さな虫歯は再石灰化によって治っちゃうという話です。

 初期カリエスはリバーシブル、つまり脱灰(ミネラルが溶け出すこと)が進むと穴の開く虫歯になり、再石灰化(ミネラルが歯に戻ること)が進むと健全な歯になるということです。再石灰化を促進するには、重炭酸イオンとフッ素イオンが大きな役目を果たしています。つまりpHの中和化とミネラルの供給。そして、重要なことは、時間がたっぷり必要だということです。これを言葉を代えて言うと、自分の唾液で歯を守っている、フッ化物を用いるのが有効、寝る前に口腔の環境を整えることが大事となります。
 イエテボリ大学の推奨している方法を書いておきます。
1.フッ化物入り歯磨き剤の量を年齢に応じて変える。歯ブラシの大きさ程度
2.ペーストを歯の全面に広げる
3.磨き方よりも時間、2分間行なう
4.必要以上に吐き出さない
5.10mlの水でゆすぐ
6.1分程度のぶくぶく
7.吐き出したら、うがいはしない
8.2時間は飲食しない
 その他の事柄
1.食生活習慣を整える(発酵性糖質の摂取制限)
2.ブラシ以外のフロス、歯冠ブラシ、タングブラシなどの利用
3.十分な咀嚼
4.特定保健用食品の利用
 以上の自分で行なうセルフケアの他に、医院で受けるプロケアが非常に重要です。
(プロケア;歯科衛生士が行なう歯面清掃、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング、PMTC)

 固定式の矯正装置を着けていると、虫歯リスクは高くなります。しかし、このリスクを判っていても矯正治療によって歯や顎の位置を良い環境に変えてあげることで、良い歯並び、良い咬み合わせになり、食事もよく咀嚼できるようになります。カリエスリスクを跳ね返す智恵と努力を身に着けて、気分もすっきりさせたいですね。


投稿者 wakimoto : 14:23 | コメント (0)